NVIDIA Tesla V100 PCIe 32 GB

NVIDIA Tesla V100 PCIe 32 GB
NVIDIA Tesla V100 PCIe 32 GB グラフィックカードのレビュー

Tesla V100 PCIe 32 GB:270億パラメータモデル向けのメモリ、ただしPCIeコネクター分の割増料金

Tesla V100 PCIe 32 GBは、メモリ容量を2倍にしたサーバー向けアクセラレーターV100のバージョンだ。NVIDIAは2018年3月に、約$11,500で発売した。現在、払い下げ品はeBayでおよそ$700で販売されている。

ダイ、クロック、900 GB/sの帯域幅は16 GB版と同じだ。しかし2026年には、容量そのものが重要になる。32 GBあれば、4ビット量子化した270〜320億パラメータのdenseモデルを、長いコンテキスト付きで収められる。V100はこれらのモデルで約30トークン/秒を出す。

欠点は2つある。Voltaには新しいドライバーがなく、CUDA 13にも対応しない。またPCIe版は16 GB版のほぼ3倍、同容量のSXM2モジュールよりも明らかに高価だ。

製品ラインアップでの位置付け

V100はすべてGV100ダイを採用している。TSMCの12 nmプロセス、CUDAコア5120基、第1世代テンソルコア640基、4096ビットバス接続のHBM2を4スタック搭載する。32 GB版とその近縁モデルは以下のとおりだ。

モデル メモリ 帯域幅 Boost TDP 特長
Tesla V100 PCIe 16 GB 16 GB HBM2 900 GB/s 1380 MHz 250 W メモリ容量が半分の同一カード
Tesla V100 PCIe 32 GB 32 GB HBM2 900 GB/s 1380 MHz 250 W パッシブヒートシンク、NVLinkと映像出力なし
Tesla V100 SXM2 32 GB 32 GB HBM2 900 GB/s 1530 MHz 300 W サーバー用SXM2コネクター、NVLink
Tesla V100S PCIe 32 GB 32 GB HBM2 1134 GB/s 1601 MHz 250 W 2019年の改良版
Quadro GV100 32 GB HBM2 870 GB/s 1627 MHz 250 W 映像出力、プロフェッショナルドライバー

PCIe版の公称性能は、FP32で14 TFLOPS、FP64で7 TFLOPS、テンソルコアで112 TFLOPSだ。テンソルコアはFP16でのみ動作する。VoltaにはRTコア、BF16、TF32がない。

同じリファレンス基板が、出品によって異なるパーツ番号で登場する。PNY TCSV100M-32GB-PB、Dell 490-BENZおよび0HR5WD、HPE Q9U36A、Lenovo 4X67A12088、Cisco UCSC-GPU-V100-32=などだ。

性能

言語モデル

トークン生成速度はメモリ帯域幅に律速される。そのため、小規模なモデルでは32 GB版V100も16 GB版と同じように動作する。以下は、同じコードバージョンを使ったllama.cpp開発者による測定結果だ。

カード メモリ gpt-oss 20B、プロンプト(pp2048)、トークン/秒 gpt-oss 20B、生成(tg128)、トークン/秒 Llama 8B Q4_0、生成、トークン/秒
Tesla P40 24 GB GDDR5 1362 65 52
Instinct MI50/MI60 32 GB HBM2 1066 144 -
Tesla V100 PCIe 32 GB 32 GB HBM2 2436 151 128
GeForce RTX 3090 24 GB GDDR6X 5824 210 155
GeForce RTX 4090 24 GB GDDR6X 13 127 264 179
GeForce RTX 5090 32 GB GDDR7 21 011 412 282

gpt-oss 20Bでは、V100の生成速度はRTX 3090より28%遅く、AMDのカードと同等だ。ただし、このテストでMI50とMI60のどちらが使われたかは明記されていない。V100のプロンプト処理はAMDより2.3倍速い一方、3090より2.4倍遅い。

このカードが選ばれる理由は、270億パラメータのdenseモデルを収められる32 GBにある。以下は所有者によるレポートで、llama.cppを使い、1リクエスト、追加の高速化なしで測定している。SXM2の行はPCIe版にも当てはまる。メモリ容量が同じで、生成はまさにメモリに律速されるためだ。直接比較できるのは、Qwen3.6 27B Q4_K_Mの行である。

構成 モデルと量子化 生成、トークン/秒 プロンプト、トークン/秒
V100 PCIe 32 GB Qwen3.8 27B、UD-Q4_K_XL 33.4 826
V100 SXM2 32 GB Qwen3.6 27B、Q4_K_M 32.2 -
V100 SXM2 32 GB Qwen3.6 27B、Q8_0 22.8 -
RTX 5090 Qwen3.6 27B、Q4_K_M 77 -

4ビットの27Bモデルで32〜33トークン/秒出れば、チャットやエージェントタスクには十分だ。RTX 5090は2.4倍高速だが、価格もほぼ9倍になる。

ソフトウェア上の工夫は、PCIe版とSXM2版の選択以上に大きな効果をもたらす。MTP(1ステップで複数トークンを予測)を使うと、Qwen3.8 27Bは33トークン/秒から57トークン/秒に高速化する。伸びが最も大きいのはコードで、文章では小さい。vLLMのフォークは、1スレッドではllama.cppより10%遅い。しかし4つの同時リクエストでは、合計110トークン/秒を出し、75.7トークン/秒にとどまるllama.cppを上回る。

コンテキストが長くなるほど速度は低下する。空のコンテキストでは33.4トークン/秒だが、32,000トークンでは28、131,000トークンでは15.8まで落ちる。冷却にも注意が必要だ。ある所有者のカードは、サーバーのファンを最大まで回すまで、15.7トークン/秒まで速度が低下していた。

あるテストでは、V100がRTX 4070より電力効率で優れていた。Qwen3.5 4BでV100は154 W時に107トークン/秒、4070は173 W時に91トークン/秒だった。つまり、1ジュールあたりのトークン数は30%少ない。プロンプト処理は4070のほうが速く、5860トークン/秒に対してV100は4445トークン/秒だった。

学習、計算、ゲーム

32 GBあれば、より大きなモデルをFP16で追加学習できる。しかしBF16とFlashAttention 2がないため、現代的な学習パイプラインは作り直さなければならない。SXM2版を使ったLambdaの測定では、A100のほうが1.6〜3.4倍高速だった。

FP64では、V100は今でも強い。7 TFLOPSはRTX 4090の約5倍であり、32 GBにはCFDや分子動力学向けの大規模な計算格子を収められる。

ゲーム用途には向かない。映像出力、DLSS、レイトレーシングがなく、性能もRTX 4060 Tiを少し下回る。

ソフトウェアサポート

ドライバーブランチR580が、Voltaをサポートする最後のブランチだ。CUDA 13はこのアーキテクチャ向けにはコンパイルできないため、使えるのはCUDA 12.xまでとなる。llama.cppやLM Studioの既成ビルドも、V100のサポートを徐々に失っている。ある所有者の環境では、CUDA 13にVoltaが含まれていないことが原因で、KVキャッシュの量子化が何の警告もなくCPU処理に移行した。

このプラットフォームを支えているのは、愛好家たちだ。sm_70対応のvLLMフォーク、ExLlamaV3の移植版、MTP対応のllama.cppビルドなどがある。自宅での実験にはこれで十分だ。しかし実運用システムでは、開発者があとどれだけサポートを続けるかに依存することになる。

価格と入手先

新品のV100はとっくに生産終了しており、現在は中古品しか販売されていない。

販売例 構成 価格
米国eBay、最安値(2026年10月) V100 PCIe 32 GB ~$685-695
米国eBay、出品中の商品での平均価格 V100 PCIe 32 GB ~$920
Amazon / Newegg(2026年10月) V100 PCIe 32 GB $799 / $839
一部の海外販売業者 V100 PCIe 32 GB $400-500
SXM2モジュール+アダプター V100 SXM2 32 GB ~$250-600
IT Creations V100S PCIe 32 GB $8937
TechMikeNY、Dell PowerEdge R740 V100 PCIe 32 GBを1枚搭載したサーバー $12 156

eBayの最安値は年初からほとんど動いていない。2月は約$707、現在は約$685だ。$500未満のカードは、一部の海外販売業者でしか見つからない。このような出品には、eBayの最安出品と同様、通常は保証がない。サーバー用の送風がなければパッシブヒートシンクが過熱するため、シュラウド付きファンの費用も加える必要がある。

リセラーやサーバー組み立て業者の価格は一桁多い。サーバー構成では、主にCPU、メモリ、ストレージに対して料金を支払うことになる。

競合製品と代替案

Tesla V100 SXM2 32 GB+アダプター。 同じダイ、同じ容量で、クロックは10%高い。アダプター込みで$250-600だ。欠点は、自分で組み立てる必要があること、標準ファンがうるさいこと、負荷時に300 Wを消費すること。自作PCで32 GBのHBM2を手に入れる最も安い方法だ。

V100 PCIe 16 GBを2枚。 同じ32 GBを約$470で実現できる。llama.cppはモデルをレイヤー単位で分割するため、生成速度は1枚の場合と同程度にとどまる。x16スロットが2つ必要で、電源も500 W分の余裕が必要になる。

GeForce RTX 3090。 生成速度は20〜40%速く、プロンプト処理は2.4倍速い。さらにBF16、FlashAttention、サポートのあるドライバーを利用できる。4ビットの27Bモデルは24 GBに収まるが、コンテキスト用の余裕は少なくなる。32BのQ5〜Q6はもう収まらない。価格は約$1386で、V100の2倍だ。

GeForce RTX 5090。 同じ32 GBを搭載し、速度ははるかに高い。メモリ不足のため、推奨価格が$1999であるにもかかわらず、価格は$6000からとなっている。1 GBあたり約$190で、V100の$22に対して大幅に高い。

AMD Instinct MI50 32 GB。 生成速度はV100と同等で、プロンプト処理は2倍以上遅い。Alibabaの業者では$120-210、eBayでは$500-650で購入できる。安定して動作するのは、主にllama.cppと基本的なPyTorchだ。

まとめ

現在の基準では、V100 PCIe 32 GBは、大容量で高速なメモリを備えた低速な計算デバイスだ。270〜320億パラメータのモデルを長いコンテキスト付きで載せ、快適な速度で動かすには十分である。制約が出てくるのは、長いプロンプト、学習、ソフトウェアだ。実運用システムには向いていない。

PCIe版の妥当な価格は$450-500までだ。現在の$700では、アダプター付きの32 GB SXM2モジュールに負ける。PCIe版への割増料金が正当化されるのは、Dell R740やHPE DL380のようなラックサーバーに搭載する場合だけだ。そこにはアダプターを取り付けられず、標準の送風によって冷却の問題も解決できる。

24 GBで足りて、通常のソフトウェアサポートと速度が必要なら、RTX 3090に追加料金を払うほうがよい。最小限の出費で最大容量のメモリが必要なら、V100 SXM2 32 GBかMI50のほうが得だ。

GPUの比較

Tesla V100 PCIe 32 GBを他のGPUsと比較

ドロップダウンリストからGPUを選択してください。

基本

レーベル名
NVIDIA
プラットホーム
Professional
発売日
March 2018
モデル名
Tesla V100 PCIe 32 GB
世代
Tesla
ベースクロック
1230MHz
ブーストクロック
1380MHz
バスインターフェース
PCIe 3.0 x16
トランジスタ
21,100 million
テンソルコア
テンソルコアは深層学習専用に設計された特化型プロセッサで、FP32トレーニングと比較して高いトレーニングと推論性能を提供します。コンピュータビジョン、自然言語処理、音声認識、テキストから音声への変換、個別の推奨などの領域で迅速な計算を可能にします。テンソルコアの最も注目すべき応用は、DLSS(Deep Learning Super Sampling)とAI Denoiserのノイズリダクションです。
640
TMU
テクスチャマッピングユニット(TMUs)は、二進画像を回転、スケーリング、歪曲して、それを3Dモデルの任意の平面にテクスチャとして配置することができるGPUのコンポーネントです。このプロセスはテクスチャマッピングと呼ばれます。
320
ファウンドリ
TSMC
プロセスサイズ
12 nm
アーキテクチャ
Volta

メモリ仕様

メモリサイズ
32GB
メモリタイプ
HBM2
メモリバス
メモリバス幅とは、1クロックサイクル内にビデオメモリが転送できるデータのビット数を指します。バス幅が大きいほど、一度に転送できるデータ量が多くなります。メモリバンド幅の計算式は次の通りです:メモリバンド幅 = メモリ周波数 x メモリバス幅 / 8。
4096bit
メモリクロック
876MHz
帯域幅
メモリバンド幅は、グラフィックチップとビデオメモリ間のデータ転送速度を指します。単位はバイト/秒で、計算式は次の通りです:メモリバンド幅 = 動作周波数 × メモリバス幅 / 8ビット。
897.0 GB/s

ディスプレイとメディア

出力
No outputs

理論上の性能

ピクセルレート
ピクセル塗りつぶし率は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)が1秒あたりにレンダリングできるピクセル数を指します。これは、MPixels/s(百万ピクセル/秒)またはGPixels/s(十億ピクセル/秒)で測定されます。これはグラフィックスカードのピクセル処理性能を評価するために最も一般的に使用される指標です。
176.6 GPixel/s
テクスチャレート
テクスチャ塗りつぶし率は、GPUが1秒間にピクセルにマッピングできるテクスチャマップ要素(テクセル)の数を指します。
441.6 GTexel/s
FP16 (半精度)
GPUパフォーマンスを測定する重要な指標は浮動小数点計算能力です。半精度浮動小数点数(16ビット)は、精度が低くても許容可能な機械学習のようなアプリケーションで使用されます。単精度浮動小数点数(32ビット)は、一般的なマルチメディアやグラフィックス処理のタスクで使用され、倍精度浮動小数点数(64ビット)は、広範で高精度が求められる科学計算に必要です。
28.26 TFLOPS
FP64 (倍精度)
GPUパフォーマンスを測定する重要な指標は浮動小数点計算能力です。倍精度浮動小数点数(64ビット)は、広範で高精度が求められる科学計算に必要です。単精度浮動小数点数(32ビット)は、一般的なマルチメディアやグラフィックス処理のタスクで使用されます。半精度浮動小数点数(16ビット)は、精度が低くても許容可能な機械学習のようなアプリケーションで使用されます。
7.066 TFLOPS
FP32 (浮動小数点)
GPU のパフォーマンスを測定するための重要な指標は、浮動小数点コンピューティング能力です。 単精度浮動小数点数 (32 ビット) は一般的なマルチメディアおよびグラフィックス処理タスクに使用されますが、倍精度浮動小数点数 (64 ビット) は広い数値範囲と高精度が要求される科学計算に必要です。 半精度浮動小数点数 (16 ビット) は、精度が低くても許容される機械学習などのアプリケーションに使用されます。
13.847 TFLOPS

その他

SM数
ストリーミングプロセッサ(SP)は他のリソースとともに、ストリーミングマルチプロセッサ(SM)を形成し、これはGPUの主要コアとも呼ばれます。これらの追加リソースには、ワープスケジューラ、レジスタ、共有メモリなどのコンポーネントが含まれます。SMは、レジスタや共有メモリが希少なリソースであるGPUの中心部と考えることができます。
80
シェーディングユニット
最も基本的な処理単位はストリーミングプロセッサ(SP)で、特定の指示とタスクが実行されます。GPUは並行計算を行い、複数のSPが同時にタスクを処理します。
5120
L1キャッシュ
128 KB (per SM)
L2キャッシュ
6MB
TDP
250W
Vulkanのバージョン
Vulkanは、Khronos Groupによるクロスプラットフォームのグラフィックスおよび計算APIで、高性能と低CPU負荷を提供します。開発者がGPUを直接制御し、レンダリングのオーバーヘッドを減らし、マルチスレッドとマルチコアプロセッサをサポートします。
1.3
OpenCLのバージョン
3.0
OpenGL
4.6
CUDA
7.0
DirectX
12 (12_1)
電源コネクタ
2x 8-pin
ROP
ラスタオペレーションパイプライン(ROPs)は、ゲーム内の照明や反射計算を主に取り扱い、アンチエイリアシング(AA)、高解像度、煙、火などの効果を管理します。ゲームのAAと照明効果が高いほど、ROPsの性能要求が高くなります。
128
シェーダモデル
6.6
推奨PSU
600W

ベンチマーク

FP32 (浮動小数点)
スコア
13.847 TFLOPS
Blender
スコア
2297
OctaneBench
スコア
319

他のGPUとの比較

FP32 (浮動小数点) / TFLOPS
15.045 +8.7%
14.455 +4.4%
13.044 -5.8%
Blender
15026.3 +554.2%
3548 +54.5%
1265.43 -44.9%
640 -72.1%