HiSilicon Kirin 9010s

HiSilicon Kirin 9010S
Kirin 9010S は Kirin 系列のモバイル SoC で、初搭載機は HUAWEI Pura 80。製品ページでは 「Kirin 9010S, octa-core」 と表記されます。いっぽう、Pura 80 のテスト結果では 合計 12 論理 CPU を持つ 3 クラスター構成がしばしば確認されます:おおむね 4× ~1.50 GHz + 6× ~2.05 GHz + 2× ~2.50 GHz。ファームウェアの仕様により、一部の結果で 「8 cores / 12 threads」 と表示されることがありますが、これは物理トポロジではなくメタデータ解釈による差異です。
位置づけ
9010S は上位ミドル〜ハイレンジ向けの 9010 系の発展版で、日常的な安定性能、カメラ系ワークロード、電力効率に重点を置きます。9010 と比べ、ベンチマーク上ではミッド/ビッグクラスターの周波数に小さな調整が見られることがあります。
CPU と負荷時の挙動
3 クラスター(little / mid / big)構成により、電力と周波数を柔軟に制御できます。
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little コア:バックグラウンドや軽い処理
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mid コア:UI 応答性とマルチタスクを維持
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big コア:レンダリングや計算バースト、重量級ゲームシーンなど短時間のピークを担当
持続負荷では急激な落ち込みなく 安定した「プラトー」 に収束し、一定の FPS と応答性を優先します。
接続性と無線(Pura 80 ベース)
2G / 3G / 4G LTE, Wi-Fi 7 (802.11be), Bluetooth 5.2 が明記されています。5G は記載されていません。
搭載機種
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HUAWEI Pura 80 — 初搭載スマートフォン。型番:HED-AL00(中国)、HED-LX9(グローバル)。
まとめ
Kirin 9010S は公式には octa-core と紹介されますが、実測では 12 論理 CPU の 3 クラスター構成として動作するケースが多く見られます。性能とバッテリー寿命のバランスを狙い、UI・カメラ・日常アプリで安定性を提供しつつ、LTE と Wi-Fi 7、Bluetooth 5.2 による現代的な接続性を備えています。